GOLF.com のギア担当編集者 Jonathan Wall が,WGC-Dell Technologies Match Play のときにタイガー・ウッズにギアについてインタビューしました。その全文はあとで訳しますが,この記事はそのインタビューで Wall が興味深く感じた5点が挙げられています。
5 things I learned talking clubs, testing and tinkering with Tiger Woods
1|道具については超敏感
2017年に,フロリダにいるテーラーメイドのツアーレップとタイガー・ウッズが最初の公式フィッティングセッションをもったときに同席したが,タイガーの道具に対する細かさを目の当たりにして,衝撃を受けた。その敏感さは,クラブのわずかな違いを感じ取って,数秒のうちでクラブの束の中からとあるドライバーを抜いてボツにしたほど。
たとえばタイガーは,新しいプロトタイプアイアンを1回振っただけで,重心の位置がおかしいことを感じ取る。あるいは,ドライバーを手にしたけれど,グリップの気泡を感じ取ってそれをテストしなかったりとか。
2|だけど他の点ではウッズは普通の人と変わらない
テーラーメイドに移る前,ウッズが可変ドライバーがどんなものか分からなかった。
ウッズはドライバーのシャフトをスチールからグラファイトにするのも遅かったし,Nikeで最後につかっていたメタルウッドも可変ではなかった。
ウッズは可変ドライバーのメリットを確かめるために,テーラーメイドの仲間たちに話をきいた。ダスティン・ジョンソンとかジェイソン・デイとかロリー・マキロイとかに。
「学ぶことがたくさんあった。DJとかジェイソンとかロリーとかに質問して,いろいろ教えてもらって,とても助けになったよ」と,タイガー。
可変メタルウッドは実際,ウッズがいろんなクラブをテストするプロセスを大幅に容易にした。ウッズいわく,1回のテストで50本のドライバーを打つのはザラとのこと。1本について3回ぐらい打って,候補を絞り込んで,でまた再テストして,でまる2日はかかっていた。「超疲れる」。
可変ドライバーにしてからは,そのテストは20分で済むとのこと。もちろん,タイガーの身体にとっては,短いに越したことはない。
3|タイガーのウェッジの使い方
タイガーのショートゲームの巧みさは,見過ごされがち。彼が見せてきたグリーン周りのショットは,何百時間もチッピンググリーンで過ごしてきた結果だ。ノーメッキで軟鉄のウェッジを使っていれば,数ヶ月もすれば溝がすり減っていく。
ツアープレーヤーがウェッジのセットを3から6ヶ月ごとに新調するのは,特別なことではない。しかしタイガーの場合,古くなったウェッジをそのまま抜くことはしない。再ブラストしてから,再び使うのだ。
「新しいのを手にして,使い古して,再ブラストして,また使う。全部で8セットあって,それを2回ずつ使う。で,全部で16回やったら,また振り出しに戻る。
4|2種類のロブウェッジ
ウッズは今シーズン,2種類の TaylorMade Milled Grind ロブウェッジを使っている。
「ひとつは去年使ったやつ。もうひとつはラフでの感触を確かめたくて今シーズン試してるやつ。バンカー用に少しバウンスも増やしている。」
5|テストは自宅で
タイガーは新しいクラブのテストをいっぱいしているけれど,公衆の面前ではやらない。ケプカと同様,コースに持ち込んだクラブは,試合で使うためのクラブなのだ。
「会場で道具を変えることはめったにしない。すべてのテストは自宅で行なう。僕の家に来てみたら,そこらじゅうにクラブがあるのが見て取れると思うよ。テストをしてるときは数値をとってるけど,ぜんぶ違うね。」