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99.9%のケースでピンは抜いたほうがいい|Golf Digest

という研究結果が Golf Digest 誌に載っていました。カリフォルニア工科大学(Cal Poly)における機械工学教授 Tom Mase によるものだそう。

ソース

Flagstick Out!: The science behind why the flagstick should be pulled 99.9 percent of the time | Golf Equipment: Clubs, Balls, Bags | Golf Digest by Mike Stachura, 16 April 2019

概要

長いので概要だけ書きますが,ピンを挿したままの方がいい唯一のケースがあって,それは(1)ピンのにボールの中心が当たり,かつ(2)それがボールがカップを10フィート以上通過する程度の速さで起こるとき。だけど,PGAツアーのパッティングの統計をみてみると,それぞれの事象は1%ぐらいの確率でしか起こらないから,1%の1%,つまり0.01%の確率でピンを挿したままの方が有利,逆に言えば残りの99.99%はピンを抜いていた方がいい,ということだそうです。

ボールがカップを通過する位置は正規分布を仮定したという話

ちなみにこれは,ピンの材質がどんなものであっても当てはまるとのこと。

ボールの中心じゃない部分がピンに当たったケースで,いろいろな材質のピンで検証したときでも,ピンを抜いていた方が,挿していたままよりも成功確率は2倍ある(このケースではボールのスピードは一定値で検証した)。

あと,ピンを挿したままの方が(それがガイドになって)距離感とか方向性とかが高まるのでは?と考える向きもあるが,それについては結論づけられないとのこと。以下の図がその検証結果のようで,みた感じ,ピン挿したほうが有利ということは言えなそう。

ということで記事の結論としては,「まぁピン挿してる方が距離感つかめるって人もいるかもしれないから,今までどおり〈ピン持ってもらってボール近づいたら抜く〉ってのがいちばんじゃね?」ということになってます。

モリナーリ兄のリアクション

という記事に対して「賛成の賛成なのだ」とツイートしたのが,モリナーリ兄。

というのも,モリナーリ兄も前に同じような実験をやっていて,そのときも同じような結論が出ていたんですよね。

ピンは抜く? 挿す?|モリナーリ兄の実験|Golf Digest - Linkslover

「弱」のスピードでは変化なし,「中」のスピードでは「ピンに触る」「ピンをかすめる」の場合で(ピンを挿している方が)カップインの確率が落ち,「強」のスピードでは「真ん中」「ピンに触る」の方向で(ピンを挿している方が)カップインの確率が高まるそうな。

上記の Cal Poly の教授の実験結果は本質的にこれと変わらず,ただ「そのピンを挿しているときの方が有利な状況」ってのは果たしてどれぐらいあるの?というのを定量化した(1%の1%)ということですね。

ということで

最近ラウンドしててもピンを抜くと「ルール変わったの知らないの?」とか「デシャンボーによれば」とか「めんどくせーから抜くなよ」的な目で見られがちですが,これからは堂々とピンを抜きましょう。

そういえばデシャンボーといえば,こないだのマスターズ初日でこんなことがありましたね。

このときピンを抜いていたらどうなっていたのでしょうか。