そういう記事がGOLF誌のウェブサイトにありましてね。
ソース
The equipment Tiger Woods used during his five Masters victories by Jonathan Wall, 17 April2019
イントロ
タイガー・ウッズの使用クラブは,1997年の歴史的なマスターズ優勝以来,ふたるの時代(two decades)にわたってドラマチックに変化してきた。ウッズにとって,最初のメジャータイトルはゴルフ用品の世界の中での劇的な変化と軌を一にし,メーカーは飛距離と易しさとボールのテクノロジーの限界を揺るがしはじめた。
大部分で,ウッズはテクノロジーの変化の恩恵を早い段階で受けるのを避けてきたひとりである。ウッド系クラブでグラファイトシャフトを採用したのはツアープレーヤーの中で遅い方だったし,260cc の Titleist 975D ドライバーを2004年シーズンまで使った。アイアンのロフトが現在のマーケットでの主流より遥かにウィークなのは,周知の通り。ウェッジのロフト構成は,ツアーデビューする前から変わらない。
つまりは,タイガー・ウッズは道具に関しては旧タイプだ。
しかしそれは,その他のエリアで彼が集団より先んじていないことは意味しない。ボールについては,他のプレーヤーがまだ液体充填タイプを使っていたときに,先駆けてソリッドコアタイプを認めた。アイアンは,複数のモデルを組み合わせるコンボセットはいまでこそ普通だが,タイガーが1997年にそれをしたときには,ほかにはまず見当たらなかった。
1997年
WITB|タイガー・ウッズ|1997年4月13日|Masters Tournament - Linkslover
- ドライバー|King Cobra Deep Face (9°)|シャフト True Temper Dynamic Gold X100
- 3W|Titleist PT 15 (15°)|シャフト True Temper Dynamic Gold X100
- アイアン|Mizuno MP-29 (2-4), MP-14 (5-PW)|シャフト True Temper Dynamic Gold X100
- ウェッジ|Cleveland 588 RTG (56°, 60°)|シャフト True Temper Dynamic Gold X100
- パター|Scotty Cameron Newport TeI3
- ボール|Titleist Professional 90
アイアンセットは,ミズノのふたつのモデル「MP-14」と「MP-29」っとの組み合わせ。そのようなアイデアは,1997年には普通ではなかった。しかし,タイガーはふたつのセットのあいだで,ロングアイアンからショートアイアンの微妙なオフセットの違いに気付いた。
「彼にとって,それはアイアンセットを通じてできるだけオフセットを小さくしようという試みだった」と,ミズノのツアーレップ Jeff Cook が語る。Jeff は1997年にミズノに入社。「思い出してほしい。タイガーはジュニアのころからミズノのアイアンを使っていたし,スタンフォード大学時代も。だからタイガーはミズノの製品について熟知している。何かについて時間を費やしたら,微妙な違いについて気づきはじめるものだよ」
ウッズにとって,MP-29 はロングアイアンで MP-14 よりオフセットが小さかったし,ミドルとショートアイアンではその逆だった。完璧なオフセット量を実現するため,ウッズはセットを分割して,MP-29 を2番から4番に,MP-14 を5番からPWまでバッグに入れた。
Scotty Cameron Newport TeI3 (Terrylium) は,Newport 2 GSS についでウッズのパターでは2番目に有名。ソフトな Terrylium インサートは,ミリングの過程の中で,バックキャビティに5本のネジで留められている。
ウッズが認める打感と打音を実現するため,32個の vibration-dampening dots がネジを隠すために使われている。
2001年
WITB|タイガー・ウッズ|2001年4月8日|Masters Tournament - Linkslover
- ドライバー|Titleist 975D (7.5°)|シャフト True Temper Dynamic Gold X100
- 3W|Titleist 970 (15°)|シャフト True Temper Dynamic Gold X100
- アイアン|Titleist 681 Forged (2-PW)|シャフト True Temper Dynamic Gold X100
- ウェッジ|Titleist Vokey Design (258-08, 260-06)|シャフト True Temper Dynamic Gold S400
- パター|Scotty Cameron Newport 2 GSS
- ボール|Nike Tour Accuracy TW
この2度めのマスターズ勝利の2年前,タイガーはパターを Scotty Cameron Newport 2 GSS に変えている。果たしてこのパターは,タイガーのメジャー15勝のうち14勝に関わることになる。
キャビティ部分とフェースのトウ側のの赤いドットは,このゴルフ史上もっとも有名なパターのアイコンとなっている。実際,これらは重要な技術的な目的がある。1999年の Byron Nelson を前にキャメロンがこのパターをタイガーに届ける前,タイガーの好みのスイングウェイトに合わせるために,ウェイトを2ポイント落とさなければならなかったのだ。
「このパターとは多くの歴史がある」と,タイガー。「他のも試したけど,これを手にしたとき,疑いを挟む余地はなかった。コースでどんなパフォーマンスをするか分かったんだ」。
タイガーはまた,2000年のマスターズ後に,ソリッドコア構造のボールに変えた,名だたるプレーヤーのひとりだった。そのボールでタイガーは次の4つのメジャータイトルを手にする。
その翌年,ウッズは2度目のグリーンジャケットを手にする。いわゆる「タイガースラム」の達成。出場選手は4人を除いて皆ソリッドコアのボールを使っていたと言われている。
2002年
WITB|タイガー・ウッズ|2002年4月14日|Masters Tournament - Linkslover
- ドライバー|Nike Forged Titanium (8.5°)|シャフト True Temper Dynamic Gold X100
- 3W|Titleist 970 (15°)|シャフト True Temper Dynamic Gold X100
- アイアン|Titleist 681 Forged (2-PW)|シャフト True Temper Dynamic Gold X100
- ウェッジ|Titleist Vokey Design (258-08, 260-06)|シャフト True Temper Dynamic Gold S400
- パター|Scotty Cameron Newport 2 GSS
- ボール|Nike Tour Accuracy TW
Nikeのドライバーに変えてから最初のマスターズ制覇。これから2002年末にかけて,タイガーのバッグはNikeのスウッシュに占領されていく。
タイガーのウェッジについてひとこと述べておくと,その Vokey Design 200 Series ウェッジは2度のロフト差があったということ。少なくとも,ロフト角の刻印は58度と60度となっている。
しかし実際には,58度のものは56度にロフトが立てられており,それに従ってバウンスも6度になっている。こんにちのプロで,これほどバウンス角の小さいサンドウェッジを使う人はいない。
2005年
WITB|タイガー・ウッズ|2005年4月10日|Masters Tournament - Linkslover
- ドライバー|Nike Ignite 460cc (8.5°)|シャフト Mitsubishi Diamana 83
- 3W|Nike T60 Ignite (15°)|シャフト Mitsubishi Diamana Blue 103
- アイアン|Nike Forged Blades (2-PW)|シャフト True Temper Dynamic Gold X100
- ウェッジ|Nike Pro Combo (56), Nike Blade TW (60)|シャフト True Temper Dynamic Gold S400
- パター|Scotty Cameron Newport 2
- ボール|Nike Tour Accuracy TWNike One Platinum TW
ウッズがドライバーのシャフトをグラファイトにしたのは,2005年のマスターズを制するわずか1年前だった。それと同時に,ウッズは460ccのサイズのドライバーを手にすることになる。それ以前は,410ccのNikeのヘッドだった。
2005年のマスターズはまた,タイガーにとって初めてNikeの13本のクラブと同時に One Platinum TW ボールででの勝利となった。このあと4年間で,タイガーはNikeの13本のクラブで6つのメジャータイトルを手にすることになる。
Nike以外のクラブは依然として Scotty Cameron Newport 2 GSS パター。しかし2010年の全英オープンではキャメロンパターはベンチに下がり,Nike Method 001 がバッグに入った。ウッズは14本のNikeクラブでではメジャーを獲っていない。
2019 Masters win
WITB|タイガー・ウッズ|2019年4月10日|Masters Tournament - Linkslover
- ドライバー|TaylorMade M5 460 (9°)|シャフト Mitsubishi Chemical Diamana D+ White Board 73TX
- 3W|TaylorMade M5 (13°)|シャフト Mitsubishi Chemical Diamana D+ White Board 83TX
- 5W|TaylorMade M3 (19°)|シャフトMitsubishi Chemical Diamana D+ White Board 83TX
- アイアン|TaylorMade P7TW (3-PW)|シャフト True Temper Dynamic Gold Tour Issue X100
- ウェッジ|TaylorMade Milled Grind (56°, 60°)|シャフト True Temper Dynamic Gold Tour Issue S400
- パター|Scotty Cameron Newport 2 GSS
- ボール|Bridgestone TourB XS
- グリップ|Golf Pride Tour Velvet Cord
ウッズのメジャー15勝目は,年初にバッグに入った調整可能なメタルウッドと TaylorMade P7TW アイアンによってもたらされた。このアイアンセットはタイガーの直接のフィードバックをもとに作られ,完成に2年を要した。
TaylorMade M5 ドライバーと3番ウッドについては,重量を10グラムほど落とし,ドライバーは73から64に,3番ウッドは83から73にしている。これによってヘッドスピードが増したことは間違いないだろう。