膝立ち打ちドリルの意味
「膝立ち打ちドリル」ってありますよね。印象に残っているのは武市”雑巾王子”悦宏の動画ですが,YouTubeで「膝立ち ゴルフ」で検索すると,いっぱい出てきます。
https://www.youtube.com/results?search_query=%E8%86%9D%E7%AB%8B%E3%81%A1+%E3%82%B4%E3%83%AB%E3%83%95
視聴者からの問い合わせに対し,そんな膝立ち打ちドリルを「意味ないよね」と言っているのが,PowerRotationalGolf のこの動画。いつも淡々と進行している比留間裕と小野秀昭の両氏が,キャッキャいいながら膝立ちにチャレンジしているのが印象的です。
ここで言われているのは,「ここまでフットワーク殺してスイングする機会って普通はない」「だったら練習しても意味ない」「そりゃ練習すればできるようになるだろうけど」「手打ちを助長するよね」「これができなくても70台は出るよね」ってなことで,それ自体は同意。
ヒップターン vs. アームローテーション抗争
で,思い出したのが,中井学。
ヒップターン中井学の変節|その態度は煮えきらず,「プロとアマ」という二分法に拘泥している - Linkslover
要するに「俺はヒップターンが正しいと思ってたし,今でも思ってるし,そうやってアマチュアどもに伝えてきたけれど,まさかアマチュアがこんなにフェースローテーションできていないとは思わなかった。それに気づくのに20年かかったわ。メンゴメンゴ」(悪意をもって要約しています)ということですが,抗争のように見える「ヒップターン vs. アームローテーション」も,結局は「誰を対象にするか」ってことだと思うんですよね。
最近のPRGRサイエンスフィット本について書いたときにも述べたんですが,
PRGRサイエンスフィット教本『スイングの壁を知る5ステップメソッド』は期待通りの本だった - Linkslover
フェースローテーションができてなかったら何やったってうまくいかなくて,ヒップターンとかってフェースローテーションが無意識レベルでできるようになってよくないですかね,という。
ターゲットというか段階というか文脈というか,「どんな状態の人に何をさせてどう変化させたいか」,そういうのすっとばして「あれはいい,これはダメ」って語っても,あまり意味ないかな,と。
似たような構図
で,同じ匂いを感じるのが,三觜喜一 vs. 吉田”レフトペルヴィス”直樹。(僕が勝手にこういう構図で眺めているだけですよ)
三觜喜一氏は YouTube の「MITSUHASHI TV」の Subscriber がもうすぐ10万人に届こうかという勢い。言ってるのは,まず腕を振れ・フェースを返せ・ボールを捕まえろ,ということ。対象はきっと多くのアマチュア(ヘッドがたれて&フェースが開いてバックスイングして,上半身から切り返して体が開いてインパクトして,という)で,そういう人たちには効く内容だと思うんですよね。「下半身リード」の呪縛にとらわれている人たちにとっても。
一方の吉田直樹氏は兵庫県芦屋市をベースに活動されていて,提唱しているのがLP(レフトペルヴィス)スイング。リンク先にいろいろと書かれていますが,レフトペルヴィス(左の骨盤)が何をするのかはよくわかりません。
んで,これは完全に僕の邪推ですが,この吉田LP直樹氏のレッスン動画が三橋氏を意識したものにしか思えないんですよね。ここで「最悪」と言われている「インパクト後に後方からグリップエンドが見えるリリース」も,三橋氏が著書や動画の中で述べていることですし。
あと,MITSUHASHI TV が女性を持ち出すと,
LPスイング側も女性を持ち出したり。
(繰り返しますが,時系列とか確認しないで言ってるので,ただの僕の印象です)
……何が言いたかったのか忘れましたが,インストラクターも商売だし人間なので,いろんな戦略・方針・感情等々ありますよね。
あ,だから,「グリップエンドが後方から見える」云々にしても,ある段階のゴルファーにとっては非常に有益になりうるし,それとは反対のケースもありますよね,ということです。繰り返しますが,そういう文脈とか無視して「あれはいい,これは最悪」とか言っても,意味ないんじゃないか。
まとめ
話を戻すと,最初の PowerRotationalGolf の動画の中で言われていますが,
「それぞれの練習は意味があってやるわけで,自分が何をしようとしているのかっていう意味がはっきりしていればやる意味があるし,それが分からずに『これをやればうまくなるんだ』って盲信して闇雲にやっているんだったら,それはたぶん上達には寄与しない」
に尽きるでしょうね。
あと,YouTubeでレッスン動画を見まくったり,ブログ記事とかを読みまくっていると,そこに勝手に「ストーリー」を付与したり,適当に「分析」したくなります。情報が多いのは喜ばしいことですが,取捨選択がたいへんです。リテラシー……。