職場のボスが我孫子のメンバーなもので,プレーさせてほしいとずっとお願いしていまして,念願かなってようやくラウンドできました。コース開場は1931年,設計は赤星四郎・六郎。時を経て2012年,ブライアン・シルバによって10ヶ月間におよぶ大改修が行なわれ,2017年には日本女子オープンが開催されました。
ということでブライアン・シルバなんですが,彼が自ら改装の意図を語る一連の動画がYouTubeで見れます。
この日は10番ホールからのスタート。新人キャディさんの研修ということで,ベテランキャディさんとのふたり態勢でした。(が,以下は1番から並べます)
1番,ほぼストレートなパー4。ブライアン・シルバが「1番ホールは我孫子を象徴するようなホールにしたかった」と言ってますが,そういう意味では確かにそう(フラットな土地,広めのフェアウェイ,要所に配置されたようなバンカー,少し気を利かせたグリーンコンプレックス)かもしれません。あとシルバいわく「このグリーンはレダン」だそうです。レダンってパー4ホールでも言うんでしたっけ? いずれにしろ左奥に伸びてフォールアウェイです。
2番パー4,右ドッグレッグ。ランディングエリアの右と左とにバンカー。グリーンは細長く右奥に伸びてて,バンカーがしっかりガード。ティーショットを右に打ってしまうと木々がアプローチの邪魔になる。ということで,右ルートの選択肢は事実上なくて,左に打てるかどうか,ですね。
3番パー3。このホールは改装時もほとんど手を加えていないそうです。少し持ち上がったグリーン,複数のガードバンカー。リソースかけて変えたところで限界効果は小さいということかも。
4番パー4。ブライアン・シルバが「ドライバブルなパー4ホールがほしかったので作った」とのこと。「左のバンカーをキャリーすればスロープに乗ってグリーンを捉えられる」んだそうです。
5番パー4。ここは兎にも角にもパンチボールグリーンのホールです。シルバいわく「私のようにドライバーの飛距離が210ヤードの人は,2打目を6番アイアンで打って,グリーンまわりのスロープを使ってカップに寄せられる」とのこと。
6番パー5。ここはいろいろ特徴がありますが,まずはフェアウェイを横切るスウェイル,そして2打目を悩ませるこの木です。レイアップするにしても,この右を行くか左を行くか。グリーンは右方向。日本女子オープンときは,シン・ジエ(だったかな)と畑岡奈沙が右のルートでグリーンを一直線に狙ってましたね。
7番パー3。改装時に,グリーンを広く(長さに見合うように)したそうです。
8番パー5。フェアウェイ右,次に左,グリーン右手前にバンカーと,教科書のようなレイアウト。
9番,ストレートなパー4。グリーンまわりがこんな感じなので,ティーショットは真ん中から右の一択です。キャディさんに「ティーショットの狙いは?」と聞いたら「真ん中です」と答えてくれました。ですよね。
10番パー5。左ドッグレッグ。スタートホールのティーショットはだいたい左の林に行くのがここのところの傾向です。
これはブライアン・シルバが語っている,グリーン手前120ヤード地点のフェアウェイバンカーですね。
11番,ストレートなパー4。フェアウェイを横切るこの谷が特徴です。
12番,ストレートなパー5。とにかく距離が長く,その長さ自体がハザードであるホールです(逆に言えばそれ以外に特徴なし)。
13番パー3。もともとふたつあったグリーンを,改装時につなげてひとつにしたらしいです。ということで,広く,右奥に伸びるグリーンができました。
14番パー4,左ドッグレッグ。ブライアン・シルバが「フェアウェイバンカーの位置をあまり気にしない方がいい」と苦し紛れに言ってますが,グリーンの左・手前・右がガードバンカーに囲まれているので,右のルートを取ろうが左のルートを取ろうが,アプローチショットに対する有利・不利はないんですよね(ピンポジション次第)。ということで,それっぽい感じはするけど戦略性は低いホールなんじゃないかと。
15番,パー5。グリーンはバンカーでしっかり囲まれているものの,左奥に伸びているので,そういう意味ではやさしいホールです(レフティは逆)。この右にもうひとつティーがあって,それは細長いグリーンに正対するアングルにあるから,そっちの方が難しいらしい。いつそのティーを使うんでしょうね。
16番,長くてストレートなパー4。グリーン右手前と,フェアウェイ左にバンカー。
17番,右ドッグレッグのパー4。これはランディングエリア,フェアウェイ真ん中にあるバンカー。右のルートはグリーンへの距離が短くなるとはいえ,この右は狭いしグリーンへのアングルもよくないし,あまりいい手だとは思えないのですが(とはいえ好みの問題か)
18番,再び右ドッグレッグのパー4。ブライアン・シルバいわく「怖そうなバンカーがいっぱいあるけど,打つとこはいっぱいあるので気にせずショットして」とのこと。
ということでですねぇ,キャディ付きの歩きラウンドは心地よし,グリーンと次のティーとの間隔が近いのもよし,土地はほぼフラットで,こういうところに本当に面白いコースを作るのは難しいだろうなという印象,そしてレイアウトは戦略性が高そうで実はそうでもないんじゃないか,というのが,全体的な感想です。
とはいいながら,念願かなってラウンドできたことには大満足です。
余談
知り合いが教えてくれたんですが,改修にあたって,ブライアン・シルバはプロジェクトの期間中に日本を4回訪れただけ(いずれも1日),実際の改修にあたったのはKye Goalbyで,Kyeが8か月にわたって「フィールド・デザイン」をした,とのこと。
ちなみに,そのKye Goalbyの父,Bobは,マスターズで優勝経験あり。