Linkslover

I want to be a window through which Japanese golfers can see what’s happening outside. TPI G2/P2.

Tony Dear "The Story of Golf in Fifty Holes"|ゴルフの歴史を50のホールで語る。あるいはゴルフの歴史が染み付いた50のホールの話。

今週の全英オープン開催地 Royal Troon といえば,8番パー3 "Postage Stamp" が有名ですが,1909年にこのホールが "Postage Stamp" というニックネームを抱くにいたった理由,1950年の全英で「15」を叩いたドイツのアマチュア選手,1997年に「6」を叩いたタイガー・ウッズ,1973年の全英に特別招待されたジーン・サラゼンのホールインワンといった,このホールにまつわるエピソードが,濃密かつなめらかにまとめられているのが,この本です。

タイトルの通り,50のホールでゴルフの歴史を語るもので,どういうホールが選ばれているかというと,St. Andrews (Old Course) の11番と17番,Prestwick の1番と17番,North Berwick の15番,Royal Troon の8番,Askernish の16番,Turnberry (Ailsa) の18番,Augusta National の10番と15番と17番,廣野の5番,Merion (East) の11番と18番,Carnoustie (Championship) の18番,TPC Sawgrass (Stadium) の17番,Biarritz Le Phare の3番,霞ヶ関(東)の6番,などなど……。

Turnberry (Ailsa) の18番といえば,トム・ワトソンとジャック・ニクラウスとの「真昼の決闘」および2009年のトム・ワトソンとスチュワート・シンク,Carnoustie (Championship) の18番といったらヴァン・デ・ヴェルデの悲劇。そういう近過去もあれば,ベン・ホーガンが1番アイアンで2打目を打ったMerion (East) の18番みたいに,ちょっと古いけど好きな人なら当然知ってるでしょうね,というホールもあったり。あるいは,St. Andrews (Old Course) の17番では中嶋常幸のエピソードもしっかり登場します。

ゴルフコースの歴史を見ているようで,ゴルフの歴史を見ていることになる。なんともユニークな本だと思いました。