Linkslover

I want to be a window through which Japanese golfers can see what’s happening outside. TPI G2/P2.

リッキー・ファウラーがブッチ・ハーモンと取り組んでいること

コーチをブッチ・ハーモンに変え,2014年が最高のシーズンとなったリッキー・ファウラーが,その取り組みの内容を Golf Digest に語りました。

たぶん,「イメージしている(あるいは感じ取っている)体の動きと,実際に外から見たときに体の動きは違う」という前提があって,ブッチがリッキーに教えているのは,「どのようなイメージで体を動かしたら,最終的に理想とされるかたちができるのか」という,そのイメージの持ち方で,それを「スローモーション・リハーサル」と呼んでいるのだと思いました。

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Rickie Fowler: Get More Birdie Looks - Golf Digest

拙訳

ゴルフをする上で大事なことは,すべてのショットに完全にコミットすることだ。これは耳にタコができるほど聞いたことがあるかもしれないが,だからといってその正しさがゆらぐことはない。コミットメントは,ハードヒットすることでは必ずしもない。

僕はそのことを,すべての動きを確実さをもってすることだと思っている。大きなスライスも大きなフックも,体の一部があやふやになっていて,それを補うかごまかす動きを体の他の部分がすることで起こる。

僕はかつて,上半身が後ろに残ったまま,手がボールに強く向かってしまっていた。それにはタイミングがとても重要で,それが狂うとアイアンでの距離のコントロールが正確ではなくなった。

上達するためには,何かをする必要があった。それで僕はブッチ・ハーモンと組むことにした。僕たちは悪い習慣を捨てて,あとで語る「フルボディ・リリース」に取り組んだ。それに慣れるまでは少し時間がかかったけど,それほど長くもかからなかった。2014年は僕のキャリアで最高のシーズンになった。コンタクトが向上したので,ロングアイアンの高さは増し,ショートアイアンはほんの少し弾道が低くなり,そしてバーディーの機会が増えた。

確かに,この変化は僕特有のものではあるけれど,すべてのゴルファーの参考になるような基本が含まれていると思う。

すべての変化に対して,ブッチはスローモーション・リハーサルの考えを伝授してくれた。以下に記す3つの考え方は,僕をおおいに助けてくれた。あなたもこれらにコミットすることで,フラッグに対して攻撃的に攻める自分に気づくと思う。

テイクアウェイ:トゥを上げて

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僕の以前のテイクアウェイでは,クラブフェイスは長いことボールに向いていた。肩が最初にまわってクラブはゆっくりとそれに引っ張られていて,それでクラブフェースがシャットのポジションになっていた。それを直すために意識したのは,クラブのトゥを最初に動かすことだった。

スイングの最初にクラブがまわされることで,それに手首のヒンジと肩が最初からシンクロした。これの他の考え方としては,前腕が最初に動くということ,つまり,トゥが空を向くまで前腕が回転するということ。これは好みの問題。どちらの考え方でも同じようにうまくいくし,本当に流れるようなテイクアウェイになる。

僕が練習した最も重要なドリルがある。それは,クラブが地面と平行になるところでテイクアウェイを止めること。この時点で,爪先のラインのシャフトが完全に平行になっていることを確認する。つまり,自分から見ると,クラブのバットが右足の爪先の上にあって,ターゲットを向いていることになる。つまり,「オンプレーン」な状態にある。このドリルは僕に相当な自信を与えてくれる。スムーズなリズムで一度リハーサルし,そしてアドレスに戻って,スイングをする。

バックスイング:一体化したままで

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僕は,多くのアマチュアと同じような,とある傾向に苦しんでいた。それは,肩のターンが終わったあとも,腕が後ろに動き続けるということ。このように胴体の筋肉から腕が分離されると,クラブは平行の位置から離れていき,そしてそれは多くの問題を生むことになる。グリップは手の中で暴れ,ダウンスイングの中で腕と胸をふたたびシンクロさせる必要が出てくる。もしシンクロしないと,ボールに向かって手首が動く。

なので,バックスイングですべてを一体化するために,僕のスローモーション・リハーサルの考え方は,バックスイングで傘を持っていると思うこと。そして,傘をさしているときのようにシャフトがまっすぐに上を向いていると感じた時点でバックスイングを止める。実際には,クラブはさらに遠いところに動いている。だけどこれが,僕だけでなくオーバースイングしがちな人が,トップでシャフトが地面と平行なポジションになるためにやるべきことなのだ。

最初のうちは,この傘の考え方はつねにうまくいっていたわけではなかったが,そのときぶっちは僕にスティーブ・ストリッカーのふりをしろと言った。ストリッカーはたぶん,ツアーの中でもっとも手首のヒンジがおとなしい。手首を大きく使うゴルファーは,ストリッカーのシンプルでストレートアームな動きが他のいいイメージになると思う。

インパクト:すべて一緒に

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ダウンスイングでは,体が右サイドに残ったまま,腕を遠くに投げ出してボールを打っていた。ショートアイアンは天高く飛び,そしてオフの日にはあちこちに飛んでいった。

に言ったように,僕はフルボディー・リリースを目指した。これはつまり,インパクトで手と手首が受動的であることを意味する。胸がボールを覆い,そして感覚として,手と手首以外のすべての体のパーツ,腕と胴体とヒップと脚とが,クラブのリリースに向けて一体となって動いている。このコツは,肉体的というよりも心理的なものだ。体が一体となってスイングするようにすることは実際にとても自然なことだけれど,実際にコースに出てさまざまなトラブルに囲まれたときに,それにマインドをコミットすることは,まさに「言うは易し」。だけど信じてほしい。大きなミスをするのはたいてい,ショットをなんとかしようと思うときだということを。

メカニカルのガイダンスに関して,スローモーション・リハーサルの考え方は,インパクトの前後でクラブヘッドが手と胸のラインにあるよう保つことだった。僕はいつもこれをチェックしている。クラブヘッドがここで手から離れているようだと,それは手首が崩れていつ。自分が信じられるような動きが必要だったけれど,今それが得られているものだ。

追記|2015-02-17

ちょうど Golfing World でも,リッキー・ファウラーのスイングの変化について(短いながらも)解説していた。

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