先の全米プロ選手権でマキロイを優勝に導いたのはどんな要素か。『ゴルフデータ革命』の著者でもあるマーク・ブローディの分析です。もちろん"Strokes-Gained" の観点からの分析です。
マキロイはロングゲーム(ホールから100ヤードより長いショット)の strokes gained がトップで,1ラウンドで約3打の差をフィールドとつけた。これは,フィールドに対してトータル4.1打差の70%を占める。ドライバーの strokes gained は2位で,アプローチショットの strokes gained は5位,それぞれ1ラウンドで1.4打差をつけたことになる。(マキロイがドライバーの strokes gained で1位にならなかった唯一の理由は,3日目4番ホールのティーショットでペナルティが発生したことによる)
最終日のフロントナインで,マキロイの36打はフィールド平均の34.3に対して1.7打多い。バックナインは32打で,これはフィールド平均の36.1打から4.1打少ない。バックナインでのマキロイのパッティングによる strokes gained はゼロなので,この4.1打の差はすべてグリーン外でのショットから生まれている。
バックナインにおけるマキロイのショットのいくつかは,素晴らしい strokes gained をもたらしている。10番パー5ホールのフェアウェイから,マキロイは280ヤードのショットを放って1.2打の strokes gained を獲得した。このショットではピンまで7フィートの2オンに成功した。「残り8ホールでトップに1打差につけたイーグルは,とても大きかった」と,マキロイは語っている。13番パー4ホールで,マキロイは91ヤードのショットをピンまで2フィートにつけ,0.8打の strokes gained をした。
17番パー4ホール,マキロイはバーディーを獲得して1.2打の差をフィールドとつけた。これは主にフェアウェイバンカーからの150ヤードのショットをピンまで10フィートにつけたのと,そのあと1パットでバーディーを決めたことによる。「僕のフェアウェイバンカーからのショットはここ数年良くなかったけど,しかるべきときにいいショットが打てた。17番でパットを沈めたことはとても大きかったし,18番のティーショットにかかるプレッシャーを少し軽くしてくれた」と,マキロイは語っている。
その他, strokes gained に大きな貢献をしたショットはふたつあり,ひとつは11番の210ヤードのティーショットをホールまで13フィートにつけたこと(0.5打の strokes gained)と,12番での176ヤードのアプローチショットを残り8フィートにつけたこと(0.6打の strokes gained)だ。しかしいずれもマキロイはバーディーパットを決められていない。
以下は,マキロイの全米プロ選手権でのプレーを,彼の今シーズンのプレーと比較したものだ:
以下は,全米プロ選手権の上位12名の strokes gained の内訳である: