全米プロ選手権でタイガー・ウッズが予選落ちをし,かつ腰の状態が良くないことが明らかだったので,「トム・ワトソンはライダーカップのプレーヤー選考での悩みがひとつ減ったね」という記事がありました。このGolfWRXの記事はタイガーの予選落ちが決まる前に書かれていたものではありますが,選考に際しておさえるべき点などが書かれており,読む価値があると思いました。
Analyzing Tom Watson’s Potential Ryder Cup picks – GolfWRX
以下が全米プロ選手権終了前のUSチームのポイントランキングであり,ランキング上位9名は自動的にチーム入り,残り3名を,キャプテンであるトム・ワトソンが指名するかたちになります。
- Bubba Watson
- Jim Furyk
- Jimmy Walker
- Rickie Fowler
- Matt Kuchar
- Jordan Spieth
- Patrick Reed
- Jason Dufner
- Zach Johnson
- Phil Mickelson
- Keegan Bradley
- Brendan Todd
- Ryan Moore
- Chris Kirk
- Webb Simpson
- Harris English
このうち8位のダフナーは全米プロ選手権初日終了後に首の痛みを理由に棄権,クーチャーも大会直前になって背中の負傷で棄権を発表と,USチームはいろいろ困難を抱えています。
そして記事では,ライダーカップのプレーヤー選考にあたってのポイントを5つ挙げています。
1. 多彩さ(versatility)が重要
ライダーカップのチームは,フォーボールとフォーサムの形式に適したゴルファーを必要とする。そういうゴルファーがいれば,あるゴルファーの調子が悪くてもチームはそのプレーヤーに頼る必要はない。
2. 迷ったときは,経験より若さを重視
近年のUSチームのキャプテンの多くは,他のどんな要素よりも経験を重視してきた。しかし経験があっても,ライダーカップのプレーヤーとして使えなければ意味がない。「若さ」の何がいいかというと,もし若いプレーヤーがノッている(hot hand)場合,キャプテンは彼のスタミナを心配することなく使い続けることができるから。
3. パットの名手よりもショートゲームの名手を選ぶこと
パットの名手は確かに役立つが,歴史的にみてライダーカップで活躍したのは,ショートゲームがうまい人。というのも,すべての局面でパットに頼るわけにはいかないが,ショートゲームの実力というのは安定しているので。パーを拾い続けて相手チームにプレッシャーをかけることが,マッチプレーでは大事。
4. フォーボール形式ではバーディーが重要
筆者の好きなフォーボールのチームは,2008年のブー・ウィークリーとJ.B.ホルムズの組み合わせ。
5. フォーサム形式ではボギーを避けることが大事。互いを補完する関係の組み合わせがいい
個々のプレーヤーがボギーを叩かないからといって,組み合わせたときにうまくいくとは限らない。たとえばフィル・ミケルソンとジム・フューリックのように。
そこで,現在のポイントランキング9位以下のプレーヤーのスタッツを見てみる。
この中でまず,ザック・ジョンソンは間違いなく選ばれるべき。前回のライダーカップでもいいプレーをしたし,今年はラフからのプレーもいい。飛距離がある方ではないが,パー5でのプレーも素晴らしい。
以下のプレーヤーは好ましくないだろう。
- Matt Every (poor driving and par-4 play).
- Erik Compton (poor driving, poor iron play, poor bogey rate).
- Webb Simpson (poor 175-to-225 yards play)
- Brendon Todd (poor 175-to-225 yards play)
- Kevin Stadler (poor par-4 play)
ライダーカップのコースは基本的に175から225ヤードのショットが大事になるので,そこからのプレーがよくないプレーヤーは外す。また今回はパー4のホールが11あるので,パー4でのプレーがよくないプレーヤーもはずす。
ということで,ピックアップすべきプレーヤーは以下に絞られるのではないか。
- Phil Mickelson
- Keegan Bradley
- Ryan Moore
- Kevin Na
- Harris English
- Brian Harman
この中でキーガン・ブラッドリーは選ばれるべき。ドライバーもいいし,長いアプローチショットもショートゲームもパッティングもいい。筆者は,フィル・ミケルソンも選ばれるのではないかと見ている。そして,ケビン・ナにも注目。