Linkslover

I want to be a window through which Japanese golfers can see what’s happening outside. TPI G2/P2.

ピア・ニールソン, リン・マリオット『ビジョン54』武田ランダムハウスジャパン

前から興味があった本ではあったけど,通っているスクールのモニターで,宮里藍とピア・ニールソンとリン・マリオットが出ていた番組の録画したやつを流していて(「GET SPORTS」だと思うんだけど),それを見ていよいよちゃんと買って読まなきゃという気になりました。スイング技術の話ではなく,基本的にはメンタルに関する話しかないけれど,でも先日フェニックスCCで自己ベストを更新できたのは,この本を読んだおかげだと思っています。

抜粋
  • ビジョン54とは,自らの達成できることは,自分が達成できると信じるものに大いに影響を受ける,という信念である。
  • よりよいスコアは,自らの最高のスイングを繰り返すことによって生まれる。
  • 「8つの必須プレー技能」とは,以下の通り:
    • 心を持ち込まない。PlayボックスとThinkボックスの分離。
    • 決断し,コミットすること。
    • 自分のバランスを見つけること。
    • 自分のテンポを感じ,そのリズムに合わせて踊ること。
    • 緊張感を飼い馴らすこと。
    • ミスを引きずらないこと。
    • うまい記憶の仕方を身につけること。
    • 内なる声をかき消すこと。
  • 「2つの必須練習技能」とは,以下の通り:
    • 本当のゴルフをシミュレートすること。
    • 目的をもって練習し,技術を統合すること。
  • ゴルフについて面白いことのひとつは,ゴルフが非常に個人的なスポーツでありながら,同時に非常に社会的な(社交的な)スポーツである点である。
  • 素晴らしいスイングをすることは,すばらしいゴルフをプレーすることと同じではなく,ピークパフォーマンスの複雑な構成要素の一部分にすぎない。
  • 勘違いしないでいただきたいのは,私たちは技術的なレッスンに異を唱えているわけではなく,分析的な見方に異を唱えているわけでもない。
  • いいスコアを出すためには,十分にいいスイングをし,十分にいいパッティングをする必要がある。しかし,パーフェクトである必要はない。事実,パーフェクトでなければいけないという固定観念が,パフォーマンスに悪影響をおよぼすこともある。
  • 人生におけるすべての局面と同様,思考のための時間と,実行のための時間がある。
  • ゴルファーは,どのように決断をし,その決断にどのようにコミットするかを学ぶ必要がある。そしてこれは,学習によって得られるスキルである。
  • スポーツの素晴らしい点のひとつは,人生の時間の経過を早められる点にある。すなわち,人はスポーツをする中で,非常に凝縮された時間の中で,自らやあるいは他人について,実に多くのことを学ぶことができるのだ。
  • ショットを放ったあとにそのショットを評価すること。ショットをする前にその結果に気をもまないこと。
  • タイガー・ウッズがコーチを変えてスイングを変更しようとし苦戦していた2010年,なぜ新しいスイングがうまくいったりいかなかったりするのかを訊かれたタイガーは,ひとことで答えた。「コミットメント」。
  • コミットする決断は,Playボックスでの自らの状況を考慮していなければはいけない。
  • 多くのアベレージゴルファーは,ショットの選択の際に,自分の平均的なショットではなく,ベストショットをもとにする。
  • 自分のショットの選択肢を過剰に分析し,とことん素振りをするようなゴルファーは,自らの決断にコミットする度合いが弱く,そしてショットの結果にもあまり満足しない。
  • 体の部位で緊張が訪れる部分は,手であり,腕であり,肩であり,そして特に顎である。
  • 自分の体が実際には行なえないようなスイングをしようとしているとき,緊張を経験するプレーヤーがいる。
  • 種をまくことはできるが,雨を降らすことはできない。
  • 自分のエネルギーは,注意深い準備と集中した理解,そして完全なるコミットメントによって影響を与えることができる側面にそそがれるべきだ。
  • 人間の能力は,その生存本能から,いい経験を記憶するよりもはるかに容易に悪い経験を記憶するようにできている。
  • 自らに高い基準を設けているがゆえに,記憶の中にとどめられた「いいショット」がほとんどない,というゴルファーがいる。
  • フレッド・カプルスいわく,「ヘイ,僕はグレートじゃない,グッドだ。でもグッドは悪くないじゃないか」。
  • 完全を期待することは,災難の始まりである。
  • 自分に起こることをコントロールすることはできないが,自分に起こったことにどう反応するかをコントロールすることはできる。
  • ショット前のルーティーンの重要性は広く知られている通りであるが,ショット後のルーティーンも同様に重要である。
  • いいショットを,タトゥーのように脳に刻むこと。悪いショットはときに起こりうるもの。人生の一部として。駐車違反の切符を切られたり,雨に降られたりするように。
  • 非生産的で避けるべき独り言:
    • 過去や未来に意識を向けるもの。
    • 結果に意識を向けるもの。
    • 自分がコントロールできないものに意識を向けるもの。
    • 自分が得意ではないもの,あるいは自らに完璧さを求めるものに意識を向けるもの。
  • 練習の秘訣のひとつめは,できるだけ練習を実際のゴルフに近づけること。
  • レンジだけで練習するのは,バレーボールに取り組みながらテニスの上達を願うようなもの。

僕が読んだのは,英語のKindle版。なので,上の抜き書きも,英語版の拙訳です。