以前ここ(フジクラでヘッドスピードを測ってきました|ヘッドスピードと初速との関係 - Linkslover)で書いたものを再掲。
ヘッドスピードと初速と飛距離の関係について.「ヘッドスピードの5.5から6倍が飛距離の目安」と言われますが,もう少し分解すると,
(ヘッドスピード)×(ミート率)=(初速)
(初速)× 4 ≒(飛距離)
という関係が成り立つようです。飛距離を決めるのは「初速」と「打ち出し角度」と「バックスピン量」の3要素なので,上の式で「4」とある係数は実際は「打ち出し角度」と「バックスピン量」に影響されるんでしょう。
さらに,(ミート率)は(初速)を(ヘッドスピード)で割った値として求められるのですが,以下の記事によると,ミート率は「計測器によって差が出ますが,一般アマで1.3台,トップアマやプロだと1.4以上が平均値.森田選手の1.48は,理想とされる1.5に近く,プロのなかでもかなりインパクト効率の高い選手と言えます」とのこと。
http://news.golfdigest.co.jp/news/wgd/jlpga/article/42577/1/
しかし,ミート率を高めるためには何をしたらいいのかが書かれていないのが,この記事の残念なところ.たぶん,ヘッドの反発係数だけじゃなく,ヘッドの芯で捉えているかとかサイドスピンの量とかで決まるのかしら。
いずにしろ結局、「(ミート率 1.35〜1.5)× 4 ≒ 5.5〜6」という関係式が成り立つことになるので,飛距離を出したいと思ったら,ミート率を下げずにヘッドスピードを上げるか,ミート率を上げるように努力すればいいよ,ということになるんでしょうね.ヘッドやシャフトが自分に合う合わないっていうのはミート率に関わってくるように思います。
と,ただ再掲するだけでも芸がないので,ミート率について補足。
ミート率は英語では「smash factor」と呼ばれる.PGAツアーは恐ろしくいろんなデータをとってるけど,ミート率のランキングなんてものもあった。この記事を書いている2014/3/12現在,2014年の1位の数値は「1.485」。
http://www.pgatour.com/stats/stat.02403.html
GolfWRXのフォーラムは,計算式に加え,理論上の各番手の最大ミート率というテーブルもあった。
この中には他にもいろいろ面白いことが書かれている。例えば,
- ミート率は,どれだけ芯で打てるかということと,強い相関関係がある
- ヘッドスピードを上げるより,ミート率を上げることに注力した方が,飛距離は出る
- 理論上の最大ミート率を決定する要素は3つ:
- クラブとボール間の反発係数(上限は0.83)
- クラブフェースの向きとヘッドの動く方向のズレの角度
- クラブヘッドとボールの重さとの比率
- レンジボールで打つと反発係数は0.73にまで下がり,ミート率はたかだか1.41に
- PGAやLPGAのプロのあいだでは,ショートアイアンでミート率が計算上の「最適値」より上がることがある。これは,ハンドファーストでインパクトしているため(if the ball is impacted with the hands leading the club head)
- ヒールとトゥでは,クラブヘッドのスピードに平均14%の開きがある。つまり,フェースの中心のスピードが100mphであるとき,ヒールでは約93mph,トゥは107mphであるということ