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ミズノMP−64 アイアンの評価|MyGolfSpy

こないだも『ミズノのMPアイアンは海外の目にどう映っているのか』で引いたけど,MyGolfSpyの記事の中から,ルーク・ドナルド監修でおなじみ,ミズノMP-64について,ポイントをかいつまんで訳します.実際にテスターにMP-64でラウンドさせてその印象を聞いてたりして,面白い.

ソース

Mizuno MP-64 Irons

拙訳

MP-59はMP58の2年後に登場し,MP-69はMP-68の2年後に登場した.MP-64は……,そう,MP-63の2年後.予想できない人,いた?

スペック

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シャフト:True Temper Dynamic Gold Stock
グリップ:GolfPride Mizuno M-31

最近はまったく普通になってきてるけど,ミズノでさえ,上級者向けアイアンのスロトングロフト化という厄災からは無縁ではない.伝統的なロフトと比較して,3番から6番は標準的だけど,7番からはギャップが大きくなる.PWは46度だ.と,カリカリする必要もなくて,ミズノでカスタムすればロフトは好きなように調整できる.

主な特徴
  • 番手ごとに厚さが調整されたダイアモンドマッスルバックで,最適化されたパフォーマンスと完璧なフロー.
  • 打音と打感を科学的にデザインして最適化.ミズノ独自の打球音デザイン手法「ハーモニック・インパクト・テクノロジー(HIT)」による.
  • 特許を取得した「グレイン・フロー・フォージド」製法で,究極の打感を.
  • ツアーで実証されたソールデザインとコンパクトなヘッドサイズで,振り抜きの良さを追求.
  • 溝も改良され,あらゆる状況下で最大の操作性が発揮できる理想的なスピン量を.

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対象ゴルファー

ハンディキャップ +2から10.....間違えないでほしいのは,MP-64はミズノがアベレージゴルファーのためにデザインしたアイアンではない,ということ.これは上級者向けだし,ミズノの(2013年6月)現在のラインナップでは,MP-69(真のマッスルバック)のすぐ下に位置する.もしアイアンに寛容性をもっとも求めているなら,他をあたったほうがいい.MP-59,MP-H4,JPX-825,あるいは JPX-825 Pro など.

見た目

MP-64の美しさは,そのデザインのシンプルさにある.われわれがミズノのMPシリーズアイアンに期待しているように,MP-64のデザインには余分なものがない.最高クラスだ.ミズノアイアンとしてちょっと違っているディテールといえば,ランバードのロゴが実際にキャビティにフォージドされていること.

3番から7番の形状は古典的なブレードアイアンと呼べるものだが,8番や9番,そしてPWを見てみると,形状はどんどん丸みを帯び,フェースは大きくなる.下に,4番・7番・PWの写真の載せたので確認してほしい.デザイナーは彼なりの目的をもってこうしたんだろうけど,セットを通じてコンパクトなヘッドのアイアンを求めている人にとっては,このデザインはちょっと問題だ.

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打感

MP-64でもっと面白いのは,これが打感を念頭においてデザインされたものだということ.ミズノはその並外れた打感で広く知られているし,すべてのミズノのアイアンで打感は最優先事項でありつづけるだろう.とはいいながら,ミズノのエンジニアたちは,MP-64をデザインするにあたって,それとはまったくことなる手法をとった.

ミズノアイアンのラインナップの中に,寛容性の高いモデルがいくつもある現状(すべてのJPXシリーズ,MP-59,そしてMP-H4),ミズノはウェイトと寛容性にこだわる必要はなかった.その代わり,ミズノはスイートスポットの真後ろにメタルを配した.これにより,最高にソフトな打感を手に入れることができたばかりか,不完全なショットに対しては十分なフィードバックを得ることができる.

実際,他のミズノアイアンや競合他社のモデルとMP-64とを打ち比べてみると,MP-64の方が少しだけ打感が軟らかく感じるが,ミズノのアイアンの中では大きな違いは感じられない.しかしテスターのひとりはこう言っている.「この2年にトップメーカーから出たアイアンを打っているけど(そして半分は持っているけど),MP-64はその中で最高の打感だね」.

パフォーマンス

最初にわれわれはテスターを自分のクラブで少しラウンドさせ,そのあとでアイアンをMP-64に変えさせ,また慣れてきたころに自分にアイアンに戻させた.結果はどうだったか?

彼の最初の印象は,ハンディキャップは8だけど,ブレードアイアンは上手くプレーできなかったと.MP-64は正確にはブレードアイアンではないけれど,キャビティアイアンとしては,お助けアイアンよりは確かにマッスルバックに近い.MP-64が上級者向けであることに間違いはないし,テスターが普段使っているクラブよりは断然アスリート向けだ.

コントロールは抜群だった.テスターはすぐに自信をつけて,グリーンのセンターではなくてピンをデッドに狙いにいった.すべての番手で,弾道は意外に高かった.ショットの操作(ドローやフェード,必要に応じて低い球)は,容易できた.いくつかのセッションとラウンドのあと,テスターはシーズンのベストスコアを達成した.

最後に

MP-69ほど厳しいアイアンではないけれど,そしてMP-64は想像以上に許容度の高いモデルではあるけれど,「優しいクラブ」にカテゴライズされるようなものではない.スイートスポットのすぐ裏に重量が配分されていて,その結果は典型的なミズノアイアン,すなわち最高の打感と,シンプルで圧倒的な美しさを手に入れられる.

MPタイプのゴルファーは,ボールストライカータイプであっても,MP-59(寛容性と,上級者が好む多くの特徴の黄金比)の方がいいかもしれない.といっても,MP-64に居場所がないわけじゃない.MP-59がちょっと大きいと感じるゴルファー,だけど本当のマッスルバックには飛びつけないような……,ルーク・ドナルドのようなゴルファーにはピッタリだ.