Linkslover

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SLDRの17度/1700rpmはすべてのヘッドスピードで最適なのか?|MyGolfSpy

最近は「LOFT UP+」キャンペーンなんてはってますが,そのSLDRの検証記事。

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Agents on Assignment: MyGolfSpy Forum Members LoftUp at TaylorMade by Will Dron, 3 March 2014

テーラーメイドは,すべてのゴルファーが,ツアープロから1ラウンドに5時間かけるわれわれアマチュアゴルファーに至るまで,そのスイングスピードにかかわらず,ドライバーの打ち出し角を17度に “LOFT UP” して,バックスピンを1700rpmにするのが「最適」だって言ってるけど,それってほんとかよ?

テーラーメイドにいる知人曰く,「Loft Up+」はちょっとした偶然から生まれたもので,SLDRをリリースしたとき,使ってる人がみんなロフトを挙げなきゃいけなかった。で,テーラーメイドがいま言うには,ここ10年,すべてのゴルフメーカーはドライバーを間違ってデザインしてきた,彼らはボールを上げて許容度を上げることを,重心を低く深くすることで実現してきたけど,それはスピン量が増える。スピン量の増加をおさえるためには,ロフトを立てなきゃいけない。でも,スピン量は十分に減らせなくて,打ち出し角も上げられない。などなど。

ということで,Torrey Pines でやってる Farmers Insurance Open の週に開かれてたテーラーメイドのイベントにいってフィッティングとか,その「17-1700」を試してきたらしい。

最初は,そのイベントで何を知ったか,テーラーメイドのクラブがどうやって作られているのかを記事として書こうとしてたんだけど,「いやいや,それも面白いかもしれないけど,でもほんとに興味があるのは,この取材で君らのテーラーメイドに対する見方がどう変化して,君らの(忌憚のない)質問に対してテーラーメイドはどうやって回答したかだよ」という意見があったと。

ゴルフクラブ中毒はみんな,テーラーメイドについて何らかの見方を持ってる。 テーラーメイドはマーケティングでたらしこんで,金を稼ぐためなら何だって言うしやる会社だって思ってる人もいるだろうし,マーケティングでたらしこんでるけど,いい道具を作っててそれをどう売ったら金を稼げるかを分かってる会社だ,って思ってる人もいる。

で,テーラーメイドのマーケティングや研究開発や製造の人たちとディナーして,いろいろ話したらしい。Excective VP の Sean Toulon は,「Spider Blade パターはできが良くないから,改良しなきゃいけないと思ってる」ってことまで言ったらしい。

マーケティング(部門)がすべてを決める? それは正しい。マーケティングはクラブ開発のすべてのステップ,コンセプト段階から関わる。売れそうにないものは,話にならない。ある研究開発の人間が言うには,飛距離が10ヤード落ちるけどめちゃくちゃ優しいドライバーヘッドのプロトタイプを作ったけど,そのプロジェクトはそれっきりだった。

テーラーメイドは打音や打感にこだわらない? 答えはYesでありNo。確かに彼らが最も注力しているのはパフォーマンスだけど,同時に打音や打感についてもたくさんテストをしている。RocketBladezアイアンは「スピードポケット」と呼ばれる溝を導入したけど,打音は壊れかけのベルみたい(?)だった。そのあとで登場したSpeedBladesは,トップラインを厚くすることで改良をはかった。

SLDRドライバーはスイングスピードの速いゴルファーだけのものか? 答えはNo。テーラーメイドは,すべてのゴルファーが17度の打ち出し角と1700rpmのバックスピンを実現すべきであると思ってるし,SLDRはすべてのゴルファーのためのドライバーだとしている。(キャロウェイ契約のはずのミケルソンも使ってたしね

プロトタイプのドライバーをロボットが打つっていうデモもやって,それはほんとに17度+1700rpmを実現してるんだけど,ヘッドスピードが90mph(だいたい40m/秒)で,キャリーで264ヤード飛ぶんだって! (俗に言われる「距離=ヘッドスピード×6」が目安,ってのをはるかに上回ってるじゃない)

球を上げるためにはバックスピンが必要なんじゃないの? 答えは,打ち出し角が小さい場合に限ってYes。打ち出しが低かったら,球を空中にとどめておくためにバックスピンは必要。実際,ほんとは12度のロフト角が必要な人が9度のSLDRで打ったら,ボールはドロップしちゃう。

アベレージゴルファーだからフィッティングは必要ない,つるしで十分? それに対する回答は,以下の通り。試した人たちのヘッドスピードは90mphから120mphと,まちまち。みんな軒並み飛距離を伸ばしてる。ヘッド(430か460か)もロフトもシャフトも,まちまち。

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ロースピンだと,球をあやつるのが難しい? それは確かにその通り。それまでは簡単にフェードを打っていた人が,SLDRだと打てなくなる。

慣性モーメントが小さくてロースピンだと,SLDRって優しくない? 理屈の上では,その通り。だけど,テストした人はみんな,曲がらなくて飛ぶ球に文句を言えなかったし,実際にSLDRは優しいドライバーだって感じた。Ping G25をテストしたときに,慣性モーメントが大きいと優しいってのは証明されたけど,でもSLDRが優しくないってことでは決してない。

小さいヘッドは上手い人向けで,大きいヘッドは優しい? 430と460と両方のヘッドをテストしたけど,バックスピン量は100rpmしか違わなかった。どっちにするかは個人の好みの問題で,いちばんしっくり来る方を選べばいい。

キャロウェイの「グラビティーコア」(新しいビッグバーサに搭載されたやつ)は,キャロウェイが他のメーカーと差別化するための試みにすぎない。と,テーラーメイド。